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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

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〒781-2105 高知県吾川郡いの町新町66

抑制について

「抑制を除去できない・・・」

B様
12歳のときにご来店
近視で、眼科処方箋で調製しました。
R Sー0.75D
L Sー0.75D

左右同度数で、近視度数はいたって普通で弱度の近視です。

2年後、当店で測定することになりました。

5mでの基本度数は、
R S−2.50D C−0.25D Ax180
L Sー2.75D C−0.25D Ax180
でした。

眼位(視軸の向き)の検査をすると、大きい内斜位があり、時々抑制もしていました。
眼精疲労や、首肩コリなどの症状もありました。

内斜位は、融像するために開散力(外直筋)に負荷がかかります。
眼球運動をつかさどる筋肉を「外眼筋」といいます。
外眼筋は、4つの直筋と、2つの斜筋で構成されています。

内直筋が、主に内転および輻輳運動を行う筋肉で、眼筋の中では一番大きく、その作用も外直筋よりも強いです。
外直筋の作用は、、内直筋に比較して弱いですから、内斜位のほうが問題が起きやすいです。
上下筋は、さらに弱いですから、上下斜位のあるかたは、正常な眼球運動が阻害される確率が高くなります。
 
 
19 外直筋
20 内直筋
21 上直筋
22 下直筋
23 下斜筋
24 上斜筋

正常な両眼視機能は、両眼の眼球運動が正常に働くことが条件です。
プリズムで矯正を試みたのですが、「プリズムを入れたら気持ちが悪くて掛けられない」とおっしゃいます。

それで、積極的な斜位の矯正は諦めて、度数の調整をしました。
内斜位に伴う近視矯正は、かえって斜位を強めることもありますので、今回は低矯正で、調製しました。
(光学中心を少しでも、開散力が楽になるように調整もしています)
調製度数
R S−1.50D 
L Sー1.50D 
これで、矯正視力(メガネを掛けての視力)は、両眼で0.6。
0.6では、教室の後ろのほうからでは、黒板の字が見えづらいのですが、仕方ありません。

1年後、来店されました。
5mでの基本度数は、
R S−4.25D 
L Sー4.25D 
近視度数が進行していました。

成長期にある眼は、変化しやすいですから、仕方ありません。
(近視そのものは、病的なものではありませんから心配はいりません)

眼位は、
抑制が強くなっていました。
今回もプリズムでの矯正を試みたのですが、抑制が取れる気配がなく、やはり「不自然な感じがして、気持ちが悪い」とのことでした。
それで、「抑制除去訓練」をやっていただくことにしました。

調製度数は、
R S−3.00D 
L Sー3.00D 
両眼での矯正視力は0.7。

2年後、
5mでの基本度数は、
R S−4.50D C−0.50D Ax180
L Sー4.50D C−1.00D Ax170
でした。
「抑制除去訓練は、していなかった」とのことです。

見やすいメガネを希望されましたので、調製度数は、
R S−4.50D C−0.50D Ax180
L Sー4.50D C−0.50D Ax170
矯正視力は1.0でています。

抑制除去訓練のグッズをお渡しして、再度積極的にトレーニングするように、アドバイスをしました。

半年後、
眼精疲労があるとのことで、眼科を受診。
眼科では、「今のメガネは強すぎる」と言われたそうです。

眼科処方箋度数は、
R S−3.50D 
L Sー3.50D 
でした。

でも、この度数では見えづらいので、必要に応じて二つのメガネを使い分けていただくことにしました。

抑制除去訓練は、「しなかった」とおっしゃいました。


後悔

内斜位のかたの抑制を除去するのは、外斜位のかたに比較して、成功する確率は低いです。
内斜位のかたは、できるだけプリズム矯正で眼位を整えたほうがいいです。

しかし、プリズム矯正は空間視の違和感が生じる場合も少なくありません。
内斜位を矯正するプリズム基底外方は、壁などがへこんで見え、距離感は遠くに感じます。

B様も空間視の違和感で、プリズム矯正を拒否されました。

しかし、たとえ違和感があったとしても早期にプリズム矯正をすれば、眼位が整ってくる可能性もあります。
もっと、しっかりと眼位のことや抑制のことを説明すれば、本人さんや親御さんが理解してくれたのではないかと思います。

私の力不足でした。

それにしても、眼科では眼位(視機能)を丁寧に測定しているところは少ないです。
「斜位は、病気ではないからいいだろう」ということでしょうか。

12歳のときに受診した眼科でも、眼位の検査はしていません。
近視眼を矯正する処方のみでした。この時点で内斜位を発見して、内斜位を適切に矯正しておけば、違う展開になっていたでしょう。(その時点では、内斜位はなかったのか知れませんが)

数年後に受診された眼科では、眼精疲労を「今のメガネが強すぎる」との診断。
「そうではない!眼精疲労の原因は、絶対にそれだけではない!」と言いたいです。
ここの眼科でも、眼位の検査はされなかったとのこと。

眼科では抑制の原因の一つである「斜位」に関しては、ほったらかしという面もあります。
病院は眼の病気を治すことが本職ですから、多くの眼科では視機能のことまで手が回らないのでしょう。。
 
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