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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

電話でのお問い合わせはTEL.088-892-0171

〒781-2105 高知県吾川郡いの町新町66

乱視を上手に合わす知恵


乱視矯正 事例1

「量販店で調製したメガネの具合が悪い。近くがみえづらい」とのことです。
ご持参メガネは、
R(右眼) Sー4.75D Cー1.25D Ax75 ADD+2.50
L(左眼) Sー5.00D Cー1.00D Ax100 ADD+2.50
(Sー近視度数、Cは乱視度数、Dは度数の単位、Axは乱視軸)
遠近(もしくは中近)累進レンズです。

当店検査(5m 両眼開放屈折検査)では、
R Sー4.25D Cー2.75D Ax92
L Sー4.00D Cー1.25D Ax80 でした。
ご持参メガネの近見での見えづらさは、「近視度数が強すぎる」ことと

右眼の「乱視度数が弱すぎる」ことが理由だと考えられます。

A様は矯正視力(メガネを掛けての視力)に大きな問題はありません。
こんな場合、乱視を適切に矯正すれば問題の改善が期待できます。

しかし、乱視度数が大きく変化すると「乱視の空間視の違和感」が出てきます。
さー、ではどうするか・・・・!
主訴は「見えづらい」ですから、見やすさを優先してご提案していきます。

まず、乱視は完全矯正した度数、近視度数は1段階弱めた
R Sー4.00D Cー2.75D Ax92 ADD+2.50
L Sー3.75D Cー1.25D Ax80  ADD+2.50
の度数を試していただきました。
(近視度数をやや弱めたほうが近見には有利です)

装用テストでは「この度数なら、なんとか掛けられそうかどうか」のチェックもしていただきます。
遠見、近見の見え方もチェックしていただきました。
もちろん、「慣れやすさ」を優先するのあれば、乱視は強めないほうがいいです。

調製度数はA様のご判断で、上記の度数で決定しました。


その後、「具合が悪い」とのことで、近用の単焦点レンズに交換しました。

その単焦点レンズも具合が悪いとのことで、お電話をいただきました。

・自分の年齢で乱視を強めるのは無理でははいか。
・選択を購入者にさせるのは無理な話ではないか。今ままでは眼鏡店が決めてくれた。
・こんな違和感のあるメガネは初めてだ。
・ナナメに見える。
と。

A様には「眼鏡調製報告書」をお送りして、詳しいご説明はしていますが、再度、眼鏡調製に関する文章をお送りしました。





その件に関しまして、眼鏡技術者の浜田 清が再度ご説明させていただきます。

お電話の内容は、
・「やはりナナメに見える。自分の年齢で乱視を強めるのは無理ではないか」  
前回の報告書でも口頭でもご説明しましたように、空間視の違和感は近視度数よりも乱視度数の方が覚えやすいのは間違いありません。
(A様は「倒乱視」です)   倒乱視(乱視軸が90°の乱視)は、  
右 C-0.75D Ax90 
左 C-0.75D Ax90  

・背が高くなったように感じる    ・床が遠くに見えるよう感じる

の違和感を覚えやすいです。 また、A様の場合、倒乱視度数が左右眼で大きく違いますので、おっしゃっている違和感は理解できます。  

で、乱視度数の違和感は、乱視度数を弱めるか、抜くかにしたほうが少なくなるのも間違いありません。

しかし、乱視度数を適切に矯正しないと、「視機能(調節)異常」に繋がりやすいのも間違いありません。  
A様が当店でメガネを調製された目的は「〇〇さんで、調製したメガネの具合が悪い。みけんが痛くなる。近くがみえづらい」とのことでした。
目的はハッキリしていました。  
〇〇さんのメガネは右眼の乱視が低矯正で、左右のバランスがとれていませんでした。  

見やすさ、視機能のことを優先的に考えるのであれば、できるだけ乱視はキッチリと矯正するべきです。(近視度数は弱めてもかまいません)

 その方向でご提案させていただいて、A様との共同作業でメガネはお作りしました。  

前回、そのメガネに慣れることにより、空間視の違和感は気にならなくなりますが、けっして「ゼロ」になるわけではありません。 と、ご説明させていただきました。

徐々に慣れていただければ、快適に見えて、正常な視機能を発揮することが期待できるのですが、「それはできない」とのことでした。  
その場合は、乱視を弱めるか、抜くかの選択になりますが、そうなると本来の目的を満たすことができません。   

次に、 「選択を購入者にさせるのは無理ではないか。今までは眼鏡店が決めてくれた」 とのことですが、当方のメガネはお客様との共同作業でお作りしています。
当方が一方的に作ることはありません。

将来的なことも考慮に入れて、当方で複数のご提案し。お客様との話し合い、委ね合いでメガネを作っていきます。

最終的なご判断はお客様に委ねます。 もちろん、この方法は手間暇がかかりますし、経営効率も悪くなります。
メガネ店のほうでメガネ店の都合のいいように、視機能は無視して、クレームにならないように、メガネの度数、タイプを決めるのは大きな違和感があります。
もし、メガネ店が勝手に決めるのであれば、それはメガネ店の怠慢に感じます

 

その後、A様からは再度お叱りのメールをいただきました。(-.-)

複数のメガネ店に問い合わせると、「この年齢で乱視矯正はリスクが高い」と言われた。
ということで、当方を非難されました。

ウーン、リスクはどの年代でもあります。リスクを感じるかどうかは個人差も大きいです。
経緯、事情がわかっていないメガネ店の、言葉足らずのアドバイスを鵜呑みにされたのは残念です・・・・(-.-)。
人間は視覚に依存して生活しています。「乱視矯正のリスクを回避する」のは「生活リスク(交通事故など)」が高くなる場合もあります。
人には「慣れる」という能力も備わっています。その能力を発揮することで、「生活リスク」は回避することが可能です。

なお、当店への「他店お買い上げメガネ」のお問い合わせには、

他店お買い上げメガネの調製具合、見え方などのご質問に関しましては、お客様の目の状態、お顔の大きさ、フレームの状態などのデータが当方にはありませんので、お答えできかねます。(まず、お買い上げ店にご相談ください)
としています。

事例1は、お客様と当方とで上手に息を合わすことができなかった失敗の事例です。

やはり、違和感を感じやすい「乱視」は適応能力の高いうちに適切にやっておくべきです。
A様もお若いときに、適切に乱視を矯正しておけば、今の諸問題も起きなかったでしょう。

将来的なことも考慮に入れて度数調製するのは、リスク(デメリット)もあります。
メリットで良しとするか、デメリットでダメとするか・・・・です。


当店のメガネは、お客様との共同作業で作り、共同責任になります。

こちらにもどうぞ→「度数の選び方

 
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