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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

電話でのお問い合わせはTEL.088-892-0171

〒781-2105 高知県吾川郡いの町新町66

度数の選び方 2

度数選びの基本になるのは「基本度数」です。
完全矯正度数や、全度数とも呼びます。

基本度数は、「誰がどのように検査しても、同じ度数になる」ことはありません。

検査する人間の考え方や、技量によって、基本度数は異なります。

基本度数は、丁寧に検査しなければいけないのですが、そうしているメガネ屋は少ないです。
その理由は
・基本度数を知らなくてもガネは作れるから。
・丁寧に検査するのは面倒だから。
・効率が悪くなるから。
・お客さんが嫌がるから。
などでしょう。

たしかに、基本度数をしっかりと検査するには手間ひまがかかります。メガネ販売のための効率は、悪くなります。

売上重視、効率重視のメガネ店では、「検査はおおざっぱ」なところが多い理由です。

「基本度数は、だいたいでいいから、素早く調製度数(実際に作る度数)を提示しなさい」という感じです。

しかし、基本度数は、メガネ作りの原点とも言える大切な要素です。

基本度数がわかってこそ、
眼の屈折度数(遠視、近視、乱視)、視機能、眼の眼位(視軸の向き)を知ることができます。
基本度数から、そのデータを基に適切な調製度数が導き出されます。

以前の眼の状態と、今の眼の状態の変化を正確に知ることもできます。

その大切な基本度数は、検査用具、検査に使用する視力表、検査距離、検査方法、によっても基本度数は異なってきます。

人間という感情、感覚、環境に左右される、生きている眼を検査するからです。

検査用具に関しては

たとえば、「ビジョンテスター」というこの検査用具を使用して屈折度数を測定すると、「器械近視」という眼の屈折状態がより近視側に測定されることがあります。



ビジョンテスター

それは、筒のようなものを不自然な状態でのぞきこむことにより、「調節力」が影響を受けるからです。

 調節力(調節機能)とは

私たちがモノを見たときピタリとピントがあって見えるのは、眼に入ってきた光が網膜上にきちんと焦点を結ぶからです。

しかも眼は、ある一定の距離のモノだけ見えればいいわけではなく、私たちの生活の場面に応じ、様々な視距離のモノを見なくてはなりません。


たとえば上図は、無限遠方のモノを見てピントが合っている状態(網膜に焦点が結んだ状態)を表していますが、眼が全くこのままの状態で近くを見ると、下図のように焦点は網膜より後ろにいってしまい、モノがボケて見えます。


そこで眼はカメラのレンズのように、見たい距離に応じて屈折力(光線を曲げる力)を変化させ、焦点を網膜上に合わせる機能を持っています。

これを眼の調節機能といい、その役割を「水晶体」とよばれる眼の中にあるレンズで行っています。上図のような場合は、水晶体を膨らませることでより強い屈折力を得、下図のように網膜上に焦点を合わせています。


人間は近くを見るとき、毛様体とよばれるところにある筋でこの水晶体を膨らませてピントを合わせるわけですが、水晶体を薄くするとき(遠くを見るとき)は筋をゆるめるだけでいいので、遠くを見るよりも近場の作業の方が眼が疲れるわけです。

すなわち人は遠くを見ているときが一番楽だということですね。
ちなみに老眼(正しくは老視)とは、加齢による老化でこの水晶体が硬くなってしまうことや毛様筋が弱ってしまうことにより、水晶体を膨らませづらくなった状態をいいます。


つまり、不自然な検査用具を使用しての測定は、過度に緊張し、水晶体を膨らませる調節機能が強くおこなわれやすくなり、屈折度数が近視側に移行しやすくなるのです。

この現象は、調節力が旺盛にある若い人ほど、おきやすいです。

過度に調節機能がおこなわれている状態は、乱視や眼位にも影響します。

ビジョンテスターでの検査とテストフレーム検査とでは、乱視度数、乱視軸、眼位が違っている。というのは珍しいことでありません。

ビジョンテスターでの検査のメリットは
・レンズ交換の速度が速い。
・いろんな付属レンズ類が内蔵されているので、多様なテストが可能。
・複雑な器械で検査されているているという安心感。
などです。


検査距離と視力表に関しては


検査距離に関しても、調節力が影響します。
検査距離が近いほど、不必要な調節を呼び起こす恐れが生じてきます。
「3mでの検査よりも、5mでの検査のほうがベターである」といえます。

視力表の中には、1mの前方に設置して、5mでの検査ができるものもあります。
この視力表は、周辺部の枠などで、感覚的に5mの感じが起きづらく、無用な調節がおきやすくなります。

当然、乱視や眼位も違った度数が出てくることがあります。


接近ボックスの視力表

接近ボックス視力表のメリットは
・検査室スペースが狭くても、検査が可能。
です。

検査方法に関しては

眼の検査方法には、片眼を遮蔽して右眼と左眼を別々に測定する「単眼屈折検査」と、片眼を遮蔽しないで、特殊な装置を使用して両眼を開けたままで右眼と左眼を測定する「両眼開放屈折検査」があります。

単眼屈折検査方も調節に影響があります。
通常、片眼を遮蔽して生活していることはないわけですから、単眼視のときは、輻輳力(眼球を内側に寄せる力)が不安定になり、そのために調節力も不安定になりやすいです。

輻輳力と調節力は連動しているので、調節によって屈折度数も変化するということです。

単眼屈折検査→
両眼開放屈折検査→

単眼検査のメリットは
当店は、ほぼすべての人に「両眼開放屈折検査」を実施していますが、
・矯正視力の弱いかた。
・両眼開放屈折検査に強く違和感を感じるかた。
・両眼開放屈折検査のほうが、不安定になるかた。
には、単眼検査で基本度数を出していきます。
また、単眼検査のほうがいいのだという検査方法(流派)もあります。

当店が理想と考える測定方法は、
1、検査距離は5m以上。
2、テストフレームを使用する。
3、両眼開放屈折検査をする。
4、理想の検査用具を使用する。
5、圧迫感が少ない検査室で検査する。
などです。
しかし、残念ながら当店は検査室のスペースの関係上、5mでの検査距離がとれません。

それで、当店は「2.5mでのミラー折り返し検査」を採用し、工夫をしました。
(2.5mの折り返し検査とは、視力表を測られるかたの後ろに設置し、ミラーを2.5mの距離に設置し、折り返して5mを確保する方法です)

視力表もミラーも少し傾けて、ミラーの寸法を大きくし、5m検査に匹敵するようにしたのです。



大きなミラーを使用しています。圧迫感が少ないように配慮しています。
 ・店内には5mの検査距離を確保した「液晶視力表」も設置しています。

この視力表も最終チェックなどに活用していきます。
この視力表は、遠見(5m)と近見(40p)の
・眼位検査
・視力検査
・立体視検査
もできます。

移動が簡単にできる視力表なので、どんな場所でも測定が可能です。

眼位の撮影もしています。 

 
 眼の視機能を最大限発揮しなければいけない時は、近くの物を見るときです。

近方視の眼球運動が円滑に行わなければ、眼精疲労が起きやすくなります。

近見での眼位を詳しく検査していきます。 



当店は、主にテストフレームを使用して、、両眼開放屈折検査で屈折検査、眼位検査、視機能検査をしていきます。
接近ボックスを使用して、ビジョンテスターで、単眼視検査をするということは、効率的な点ではメリットがありますが、正確な基本度数を出すのは難しくなります。

調節力と輻輳力は連動しています。
調節によって屈折は変化し、輻輳によって眼位が変化します。
できるだけ、調節と輻輳が安定した状態で検査することが望ましいのです。

不安や緊張は調節や輻輳に影響しますから、検査する人間を知っておくことは大切です。

当店は、「じっくりと検査してほしい」というかたに向いているメガネ店です。

 
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高知 メガネのハマヤ

〒781-2105
高知県吾川郡いの町新町66
TEL.088-892-0171
定休日 毎週木曜日
営業時間 午前9時〜午後7時