<40代からの輻輳異常>
輻輳麻痺などの眼球運動障害の原因として
・外傷 ・腫瘍 ・動脈瘤 ・炎症 ・血管性病変 などがありますが、原因が特定できないものもあります。
原因不明の中には、「調節麻痺薬」の点眼もあるのではないでしょうか。
もちろん、それは推測になりますが、少なくとも調節麻痺薬点眼後に輻輳不全になった事例はあります。
薬は毒でもありますからね・・・・( 一一)
さて、それでメガネ屋として(眼鏡技術者)として薬害が原因と思われる眼球運動障害(輻輳機能異常)のかたのメガネをどう調製するかということです。
複視がある場合には、複視を解消するための光学的対応として「プリズム眼鏡」を調製することができます。
ただし原因不明の神経麻痺は自然治癒例が多いという報告もあります。
なので、プリズム処方も慎重にしないといけません。
プリズムを入れることによるデメリットもありますから。
当店はこういう説明をすることもあります。 ↓
今回、積極的にプリズム矯正をしましたが、プリズム効果により脳が積極的に両眼視しようとすると、かえって眼精疲労が増すこともあります。一時的な複視が出ることもあります。
これは、左右眼の網膜像が正常対応への過程として発生するものです。
この眼精疲労等は心配することはありません。
プリズム矯正により裸眼に比較しまして融像が変化します。(そのためのプリズム矯正です)
融像の変化は、深径覚の変化なども起こってくる場合があります。(抑制をしているかたは、通常そういう変化は起きません)それも心配はいりません。
プリズムレンズは眼位を整える(眼の筋肉を調整する)レンズですから、眼に馴染むまでは違和感がある場合もあります。メガネを掛けた瞬間クラクラした感じがある場合もあります。
ご了承ください。
斜視(眼球運動障害)は、体調や加齢、環境、精神的なものなどいろんな影響で変化するこことも往々にしてあります。
今回は、「遠見用メガネ」として調製しましたが、○○様は近見での斜位量は左右で12△前後でした。
直ぐに、「近見用メガネ」を作ることもできますが、今後、遠見のプリズム眼鏡を掛けることにより、眼位が変化することも予想されます。
なので、暫くは様子を見たほうがいいと思います。
当店のプリズムでのメガネ調製は、お客様との共同作業、共同責任になります。
メガネ調製はやってみないと100%のことはわかりませんが、上手に当店をご利用ください。
調節麻痺薬には、効果の違いにより数種類あります。
・アトロピン硫酸塩水和物
・シクロベントラート塩酸塩
・トロピカミド・フェニレフリン塩酸塩
・トロピカミド
・ネオスチグメチル硫酸塩
一般的な屈折検査に用いられることが多い副交感神経遮断薬で「サイプレンジ1%点眼薬」もあります。
眼球運動をつかさどる外眼筋は神経支配されています。
神経が異常になれば、眼球運動障害が起きます。
たとえば、動眼神経麻痺が起きると眼球運動の内転、上転および下転障害が出てきます。
眼位は内直筋が麻痺するため外斜視となり、下斜筋が麻痺するため内方回旋斜視になります。(日本眼鏡技術者協会 生涯教育テキストより)
一時的にせよ副交感神経が遮断されると、人によっては生活の支障をきたすこともあります。
40代からは要注意の調節麻痺薬、デメリットも考えてください。
調節麻痺薬点眼後に、神経異常及び精神的な問題も生じて「大きい外斜位」、「大きい輻輳不全」の引き金になるかもしれません。
輻輳機能異常は、
・身体の不調
・ストレス
・体質的要素
なども原因として考えられます。
・自律神経の乱れ
・更年期障害
・帯状疱疹
がキッカケのかたもいます。
病院にいけばいくほど悪くなる傾向のかたもおられます。
病院に行くことがストレスになり、「原因不明」と言われてショックを受ける・・・。
ますます輻輳しなくなる。(できなくなる)・・・・( 一一)
加齢により視機能は変化します。
視力は45歳ぐらいから、眼疾患がないのにもかかわず生理的に低下する傾向があります。(個人差も大きいですが)
眼球運動も低下します。輻輳力は年齢と共に減少してきます。
輻輳力が減少すると、外斜位→輻輳不全→複視になることもあり、複視が大きくなると(深くなると)抑制が入ることもあります。
深い抑制が生じると、正常な両眼視機能は行えなくなります。
立体視も弱くなります。
立体視が弱くなると車の運転に支障をきたします。
高齢者の交通事故は、眼球運動の低下も関係してきます。
40歳を過ぎてから、「老眼鏡を掛けても近くのものが見えづらい。ピントが合いづらい」と感じているかた。
輻輳力のチェックをしてください。
その輻輳力は色々な要因によって影響を受けます。
薬の副装用もその一つです。
何度も言いますが、調節麻痺薬も「薬」です。副作用もあります。
調節麻痺薬の点眼が輻輳異常の引き金になることもあるでしょう。
また、その引き金は肉体的、精神的な疲労もあり、
気持ちの問題も大きいです。
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