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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

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複視について 8 

複視とは一つのものが二つに見える現象です。

複視の事例 8

50代のH様

10日前に突然複視になり、眼科を受診しました。
眼科は「2週間ぐらい様子を見ましょう」ということでしたが、仕事に困るので、今すぐなんとかしたいです

とご来店されました。

複視では具合が悪いので、片眼に眼帯をされていました。

5mでの基本度数は
R 1.0×Sー2.50D C−1.50D Ax70
L 1.0×Sー2.50D C−0.75D Ax120

眼位(視軸の向き)は、大きな内斜位がありました。
内斜位量は、25△~30△B.O.
これでは、融像が困難で複視になるはずです。

さて、突然に複視になった場合、一過性のことも予想できます。

事例5←クリック

メガネを調製したとしても、短期間に眼位が大きく変動する可能性もあります。
そのことはH様に十分ご説明をしました。
「それでもかまいません」ということで、メガネを調製することになりました。

複視を解消するには、適切なプリズム矯正が必要になります。
しかし、問題点が。
レンズで付けられるプリズム量では、H様の複視は解消できません。

 もし、プリズム矯正量が少なすぎて複視が解消されない場合、

かえって複視が煩わしくなる場合もあります。
これぐらい離れていた複像が、

これぐらいに近づくと・・・・。

そんな場合、フレネル膜プリズムを使う方法があります。
←フレネル膜プリズム

フレネル膜プリズムであれば、かなり強いプリズムでもOKです。
ただし、解像度が落ちる欠点があります。
その欠点があるので、視力の良いかたには積極的には使いづらい点もあります。

H様の場合は、とにかく複視を解消する目的でメガネ調製をしますから、多少解像度が落ちてもやむをえません。

H様の調製度数
R Sー2.00D C−1.00D Ax70  12.5△B.O.
L Sー2.00D C−0.75D Ax120 12.5△B.O
.


1週間後、仕上がりメガネをお渡ししました。

その時に、眼位のチェックもしましたが、大きな変動はありませんでした。
これが良いのか悪いのかはわかりませんが、結果としてご希望通りに複視が解消できるメガネ調製ができました。

お願いしていました脳神経外科の受診もしてくださり、「脳にはまったく問題ない」ということで一安心です。

突然に複視になった原因は、ご自身では「もしかしたら増えた薬のせいかも」とおっしゃっていました。

眼位が今後どのように変化するかはわかりません。
H様は持病もありますから、そのコントーロールも大事です。

今後、プリズムレンズを上手に駆使しながら、経過観察をしていきましょう。

プリズムレンズの目的は、複視を解消し、両眼単一視の獲得にあります。


眼科では「2週間ぐらい様子を見ましょう」という診断?でした。

突然複視は自然治癒する可能性もありますから「何もしないで経過観察」も悪くないのですが、H様は途方にくれました。

それはそうです。H様は仕事があります。複視のままでは仕事をすることは困難になりますからね。
車の運転も困難です。複視での運転は、様子を見ている間に事故っちゃいます。

それで、H様はインターネットで当店を調べてお越しいただきました。

プリズムレンズは身体に侵襲することもなく、劇薬のような強い副作用もありません。
いわば「安全な矯正道具」です。もし、ダメ(矯正効果がない)だったら掛けなければいいだけの話です。

その点も考慮に入れると「ひとまずは複視を解消するための光学的対応として、プリズムメガネを掛けましょう。それで眼位等の様子を見て、今後の対応を考えていきましょう」としたほうが患者さんは安心します。

だけど日頃プリズム処方をしていないと、「プリズムメガネを」とは言いづらいでしょうね。
日頃やっていないものは中々できません。




プリズムメガネを調製一カ月後、H様が素晴らしく明るいお顔で、ご来店されました。
「複視が治ったみたいです」と。
眼位検査をしてみますと、おっしゃる通りです。
やや内斜位は残っているものの、ほぼ正常な眼位になっています。

お尋ねしてみますと「やはり、薬の影響だったようです。体の状態がコントロールできたら良くなってきました。
突然複視になったものは、突然治ることもあるのですね」とおっしゃっていました。

そうなんです。それが一過性の複視の特徴でもあるのです。

薬の影響もしくは原因不明の神経麻痺で眼球運動障害(開散麻痺)がおきると斜視になりますが、薬の作用が薄くなったり、身体の状態を上手にコントロールすることができると「自然治癒することもある」ということです。

もし、H様が複視のまま、もしくは片眼を遮蔽されたまま過ごされていたらどうなっていたことか。
脳が大きく混乱し、スムーズな回復は困難になった可能性もあります。

眼科では複視を解消するのに、手術のことも示唆されたそうです。
「この手術は県外でないとできない」と言われましたが、H様は「県外まではよう行きません」と手術は拒否されたそうです。
拒否して大正解です。もし手術をしていたら大変なことになっていました。くわばらくわばら。

今回プリズム無しのメガネに作りなおしました。

今後、もしまた複視が発生しても複視を解消する光学的対応としてプリズム眼鏡がありますから安心です。

「不安」というものは不定愁訴に繋がります。「安心」があると体の状態は上手にコントロールすることができるようになります。

H様には「今後はプリズム眼鏡が必要ないように、体の状態に気をつけます」とおっしゃっていただけました。

ご協力ありがとうございます。
   

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