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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美のメガネ店です。

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〒781-2105 高知県吾川郡いの町新町66

眼鏡調製報告書 1

○○眼科 ○○先生
                    平成21年○月15日 メガネのハマヤ 眼鏡士 浜田 清

前略
貴眼科におかれましては、日々ご清祥のことと存じます。 


○月11日に貴眼科発行の眼鏡処方箋(○月11日発行)を持参されました、A様の眼鏡の調製につき、ご報告をいたします。
貴眼科発行の処方箋の度数は下記の通りでした。
 R=S−0.25 
 L=S−1.25
               遠用PD=66

A様に貴眼科処方箋度数で見え方の確認をしていただいたところ「この度数で、カーナビは見えるでしょうか」とおっしゃいました。
遠用度数は通常5m以遠が見やすい度数に設定されていますので、調節力が少なくなっているA様のご年齢での遠用度数はカーナビまでの距離を考えますと、カーナビの画面は遠用近視単焦点レンズでは見えづらく感じます。

カーナビまでの距離を想定して、貴眼科処方の遠用度数で確認していただきますと、やはり「見えづらい」とのことでした。それで、「こんな場合は、遠近両用累進レンズでしたら、遠方から近方まで見ることが可能で、便利なメガネです」とご提案をいたしました。
もちろん遠近両用レンズのデメリットのご説明もしました。しかし、貴眼科の処方は遠用度数のみの記載でしたので、このままでは遠近両用を調製することはできません。

A様は貴眼科には「遠用度数のみでいい」ということで、カーナビのことは言わなかったとのことです。それで遠用度数のみの処方箋になったとのことです。
遠近累進レンズを調製するには貴眼科に再度行ってもらう方法もあるのですが、私は「遠近累進レンズに関しては当店にて検査、調製するほうが作りやすいです」とA様にはご提案をしました。

それは、遠近累進レンズは実際に使用する遠近累進のタイプや累進帯の長さなどによって、近用度数(加入度数)を設定するほうが理にかなっていますし、そのほうが遠用度数と近用度数を別々に検査した度数よりも、上手くいく(ご満足いただける)確立が高まるからです。それで、当店で検査をすることになりました。


5m自覚的屈折検査(両眼開放屈折検査)
両眼開放での一次矯正値(両眼調節バランステストの前の値)
   RV=(1.×S−0.25  C−0.50 Ax168) PD=32.5
   LV=(1.×S−1.75  C−0.25 Ax180) PD=33.5
     眼位はほぼ正常です。

ここから両眼調節バランステストをしますと、左右差は1.00Dでよいことになりました。一次矯正値での左右の球面差1.50Dが1.00Dになっています。こういうことはよくありますので、調節バランスはキッチリとやっています。
それから、両眼調節緩解テストをしますと
RV=(1
.×S−0.25  C−0.50 Ax168) PD=32.5
LV=(1.×S−1.25  C−0.25 Ax180) PD=33.5
が両眼開放屈折検査の最終結果(基本度数)になりました。 

次に近用検査をしました。近用RG(レッドグリーンテスト)検査では35cmの距離で、ADD+.75DでR=Gでした。
遠近両用累進レンズの場合、左右差がありますと、近用部ではプリズム誤差が生じてしまいます。

A様の場合、垂直経線の度数差が約1.00Dありますから、たとえば遠用アイポイントから10mm下方の近用部分に視線を移した場合近用部では1△のプリズム誤差になります。この誤差は人によっては、眼の疲れなどが生じる恐れがあります。

ですから、できるだけプリズム誤差の影響を受けない遠近累進タイプを選ぶことが必要になります。プリズム誤差の影響が少ないタイプは、累進帯長が短めのタイプになります。
このタイプですと、下方視が少なめで近用部に視線が入ります。
当店が主に販売している遠近累進レンズのタイプは累進帯長が11mm〜18mmまであります。

そういうわけで、今回は累進帯長が11mmのタイプで度数の調製をすることになりました。
A様の使用目的は車の運転とカーナビを見るということでしたから、加入度数は多くは必要としません。それに、加入度数を近用測定度数のADD+.75Dにしますと、11mmタイプでは累進帯長の横幅の視野が狭くなる欠点がでてきます。

ここで、遠用度数をどうするかの調製に入りました。基本度数のままで調製するのが遠方は一番見やすくなるのですが、違和感のことなども考慮に入れて、乱視を1段階弱めてみました。

R S−0.25  C−0.25 Ax168 (A度数とします)
L S−1.25 

右眼のC−0.25を取ると、貴眼科処方の遠用度数になるのですが、乱視を取るとやはり「やや見えづらい」ということで、乱視は入れることにしました。
遠近累進レンズの場合は、近用部分にいくにしたがって+の度数が加わりますので、近視度数を弱めに設定すると、夜間の運転などに見えづらさを訴えるかたもいます。それでは車の運転は危険ですので、できるだけ遠方が見やすい度数に設定するのが望ましくなります。(もちろん、ケースバイケースです)

A度数で屋外の景色や看板などを見ていただきましたが、見え方には問題ありませんでした。確認の意味で無限遠を見てもらい、両眼にS−0.25Dを加えると、「より、ハッキリ見えます」。+.25Dを加えると「ややボヤケル」というお答えでした。

次にA度数に実際に11mmの累進テストレンズを入れて、具合がよさそうな加入度数の調製に入りました。すると、ADD+.50Dでいいということになりました。加入度数は少なめですから車の運転には好都合です。カーナビも見えます。


調製度数は

R S−0. 25 C−0. 25Ax168 ADD 1. 50PD=32.5
L S−1. 25             ADD 1. 50PD=33.5

使用レンズ、「ホヤサミットプレミアム11ミリタイプ」


もし、累進タイプが14mmを選ばれますと、ADD+.50Dでは具合がイマイチになっていると思われます。

遠近累進レンズは、各メーカーによって設計が異なります。累進面を外面にもってきたものや、内面にもってきたもの、外面内面に複合したものまであります。累進帯長も8mm〜20mmぐらいまでさまざまな種類があります。

遠近両用累進レンズの処方は、遠用度数と近用度数を眼位、調節バランスも含めてキッチリと検査した上で、遠近累進の種類や眼鏡ユーザーの用途などに応じて「遠近累進遠用度数」を設定して、累進帯長や眼鏡ユーザーの使用目的、使用距離などに応じて「遠近累進加入度数(近用度数)」を設定していくほうが望ましいと思います。

もちろん、この方法が正しくても、だからと言って、100%完璧な処方度数になるとは言い切れません。しかし、遠近累進レンズの処方はより細かい配慮が必要ですから、遠用と近用だけを測定した処方では上手くいかない確率が高くなります。

そういう細かい作業は眼科さんでは難しい点があると思います。各社の遠近累進テストレンズを取り揃えるのも難しいと思いますし、各社の累進レンズの特性などをすべて把握するのも困難です。

もし眼科さんが累進レンズをある程度揃えて、レンズを指定したとしましても、指定レンズ取り扱いのメガネ店しかいけなくなり、そうするとレンズの累進帯に応じたフレームまで指定しなくてはいけないことになります。

そんなことは眼鏡ユーザーには不便ですし、現実的ではないと思います。
また、眼鏡ユーザーが天地幅28mm以下のフレームをご希望の場合は、必然的に累進帯の短いタイプを選ばざるを得なくなります。
当然、その場合はご希望のフレームに応じた、短いタイプ用の度数設定になります。

頂間距離によっても、度数を調製する必要もあります。頂間距離によって累進帯の横幅の視野が異なってきます。たとえば、フレームの種類やユーザーの鼻の高さによって、頂間距離が10mm前後〜14mm前後になることがありますが、10mmよりも14mmのほうが視野が狭くなりますので、加入度数を弱めたり、累進帯の長いタイプを選んだりの配慮がいります。

ですから、眼鏡士の使命として、今回は当方の判断で当店測定度数で調製させていただくことにしました。

瞳孔距離は、二デック社のPDメーターで測定しました。
最終的にPDのレイアウトはミラー法で確認しています。


PDに関しては、ほとんどの場合左右でPDが違っています。A様も右眼PDが32.5ミリで、左眼PDが33.5ミリでした。
単焦点レンズの場合は左右の合計PD66ミリを等分して調製しても問題ない場合も多いのですが遠近累進レンズはそれではよくありません。
左右別々にキッチリとPDを設定しないと具合が悪くなる恐れがあります。

それは累進レンズの特性により、当店取り扱いの累進レンズは右眼の設計と左眼の設計とは別になっており、両眼視を考慮すると両眼共通視野が広くなるように設計されているからです。
ゆえに、右眼なら、右眼のPD32.5ミリ、左眼なら、左眼のPD33.5ミリで、遠用アイポイントに正確に調製します。近用アイポイントも問題ないかも確認をします。
まれに左右で輻輳力がかなり違うかたがおられますが、そんな場合は度数や遠用、近用などの使用頻度によってPDを調製します。

これが眼鏡処方箋にPDを「66ミリ(右眼33ミリ、左眼33ミリ)で作りなさい」と指定されますと、遠近累進レンズは調製しづらくなります。
また、フレームが決まっていないのに、左右PD別々に指定されたとしても、頂間距離やフレームによってPDの微調整が必要になりますので、それも困ることになります。

ちなみに、遠近両用累進レンズに細かい配慮をしないメガネ店も多いです。
メガネ店のレベルはメガネ店によって大きく異なります。眼鏡技術よりも「売上優先」というメガネ店も多いです。また、昨今はインターネットを利用したメガネの通販業者も跋扈しています。通販業者は完全に眼鏡技術を放棄して、眼科が発行する眼鏡処方箋を巧みに利用しています。

アイポイントは天地玉型中央より、左右眼とも4ミリ上に設定しました。

車の運転だけを考えればもう少し低めでもいいのですが、カーナビを見ることも考慮に入れてこの高さにしました。もし、この高さで具合が悪い場合はフィッティング調製で微調整することが可能です。

なお、単焦点レンズで近用メガネをプラスレンズ作る場合、近用PDは遠用PDよりも4ミリ〜5ミリ引いたPDの方が、輻輳力が助けられて楽になります。近用メガネをマイナスレンズで作る場合は、遠用PDのままで作ったほうがデメリットよりもメリットが上回ります。

フレームは「フレームサイズ50□18、天地幅30mm」を選んでいただきました。天地幅が30mmのフレームを選んでいただいたのは、累進帯が11mmのタイプを入れるのに好都合だからです。垂直経線に度数差があるかた(不同視のかたなど)は、天地が浅いフレームがおすすめです。A様のPDは66ミリですから、フレームサイズも適切です。

フィッティング調整は、A様のお顔に合わせて丁寧にキッチリといたしました。

人間の顔といいますのも、左右対称のかたはほとんどいません。頭部の形も多かれ少なかれ、みなさんイビツ(表現が悪くてすみません)になっています。ですから、メガネは個々のかたのお顔に対してキッチリとフィッティングしないと、掛け心地が悪くなり、ズリ落ちやすくなり、耳や鼻のところが痛くなったりします。

また、フィッティングが悪ければ光学的にも問題がでてきます。メガネのフィッティングは、耳のところのフィッティングは特に重要になります。耳の後ろ部分は、人さまざまでいろんな形がありますが、へこみがあるかたが大半です。そのへこみに合わせてフレームの腕先に緩やかなそらしをつけて、メガネの腕で頭を抱えるようにフィッティングしています。

○月18日に出来あがりを取りにこられまして、お渡しのときに遠方の見え方、カーナビの距離での見え方を確認していただきました。「どちらの距離も見えます」とおっしゃっていました。

遠近両用レンズの使い方や、メガネの取り扱い方法も丁寧に説明をしました。

「メガネは普段、掛けっぱなしのほうがいいですか」とお尋ねになりましたので、「A様の場合は左右眼で視力が違いますから、裸眼でそこそこ遠方も近方も見えますが、調節と輻輳のバランスが悪くなります。そうしますと、眼の疲れがでてくる恐れもあります。また、遠近感覚などが悪くなる場合もあります。ですから、できるだけメガネは掛けていただいたほうがよろしいですが、いきなり掛けっぱなしにするのは難しいかと思いますので、除々に掛け慣らしていただければよろしいかと思います」と説明をしました。

A様は平成17年に老眼鏡をお作りいただいていますので、近業にはこちらのメガネをご使用いただくようにアドバイスをしました。  
メガネは、アフターケアも必要になりますので、A様のメガネは当店が責任を持ってアフターケアをしていきます。

今回は私の責任で当方で処方させていただき、処方責任は当方にあります。今回の度数で具合が悪い場合は当方とA様の話し合いで解決します。
 
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