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高知 メガネのハマヤは、浜田清と久美+タカアキのメガネ店です。

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白内障術後のメガネ

■白内障術後のかたのメガネ 事例3

白内障の手術をされた70歳代のB様。

眼科発行の眼鏡処方箋をご持参されました。

眼科処方度数
R S−0.75D 
L S+0.75D C−1.50D Ax80 

手術前に掛けられていたメガネは、当店処方で
R S+2.25D C−0.50D Ax90 0.75△B.D. 0.75△B.I.
L S+2.25D C−0.50D Ax90 0.75△B.U. 0.75△B.I.
(Sは遠視度数、Cは乱視度数、Dは度数の単位、Axは乱視軸。
△は斜位のプリズム量、Bは斜位の方向です)

B様も斜位があり、斜位をプリズム矯正しないと焦点が合いづらいかたです。

眼科の処方では、いつものように眼位のことは考慮に入れていないようなので、当方で検査確認をすることになりました。

当店での検査(両眼開放屈折検査)度数は
R (0.7×S±0.00D C−0.50D Ax60 2.0△B.D. 2.5△B.I.)
L (1.0×S−0.25D C−1.00D Ax85 2.0△B.U. 2.5△B.I.)
(0.7、1.0は矯正視力です)
でした。
やはり、上下斜位と水平斜位があります。手術前よりも斜位量が増えています。

お客様に眼科処方度数と、当店処方度数を見比べていただいたところ、「眼科処方度数は、全然ダメ!」ということで、当店処方で調製することになりました。

調製度数は
R S±0.00D C−0.50D Ax60 1.5△B.D. 0.75△B.I.
L S−0.25D C−1.00D Ax85 1.5△B.U. 0.75△B.I.

です。

B様は、右眼と左眼は別々の眼科で手術をされています。
最初の手術は左眼でした。そこの眼科での手術には問題がなかったようなのですが、医師の相性が合わないようなので、右眼は別の眼科で手術をされました。

右眼の矯正視力が弱かったので、お聞きしますと「右眼にはキズがあると言われた」とのことでした。
ウーン、この件に関してはなんともいえませんが、この眼科のこのセリフはよく聞きます。
右眼も先の眼科で手術されたほうが、よかったのかも知れません。
でも、先の眼科医には憤りをおぼえていましたから、それも難しかったのでしょう。

もし、眼科処方箋通りに調製して、具合が悪かったとしても眼科は結果責任をとりません。

今回、当店処方で調製しましたから、お客様と当店の共同責任になります。
手術後は、度数や眼位が変動することもありますので、その場合も共同で対処することになります。



眼科処方箋は、無料で交換しますから安心です
と表示するメガネ店があります。

何が安心なのでしょうか。

安心というものが、「快適で、満足できるメガネを提供できる」ということであるのなら、眼科処方箋無料補償制度は、ちっとも安心ではありません。

たとえば、もし、B様が無料補償のメガネ店で、眼科処方度数でメガネを調製したとします。
当然、プリズム無しのメガネでは、具合が悪いです。

そんな場合、B様はメガネ店にそのことを訴えるか、眼科に訴えるか、の選択になります。
眼科に訴えることは、簡単にはいきませんので、たいていは、前者になるわけです。

メガネ店としては、眼科処方箋通りに調製していますから、具合の悪さを訴えられても「処方箋通りに作っています。度数に関しては眼科にご相談ください」と言わざるを得ません。

「B様に適切な処方をするのは、この眼科では難しい」と感じていても、「再発行された処方箋度数に交換しますから」と言うでしょう。

そして、B様は渋々眼科に行き、また検査料も支払って、再眼鏡処方箋を発行してもらいます。
その処方箋を持って、メガネ店で無料で交換してもらいました。

これで、メデタシメデタシ。になるとは限りません。
再処方された度数が、適切な処方であるという確信はありませんから。

B様の場合は、眼位を考慮に入れ、用途用法に応じて、適切な処方をしないと、何度やってもダメなものはダメです。

無料補償だから、メガネユーザーは安心!とは言えないわけです。
安心なのは、処方責任を回避できる眼科だけです。


こんな制度は、メガネ店も不安でいっぱいです。
だって、レンズ代の負担はメガネ店がするわけですから、「高い遠近両用レンズの交換になったらどうしよう」と気が気でなりません。
泣く泣く、レンズの交換に応じる。ということもありますでしょう。

だけど、それでも無料で交換するのは「眼鏡処方箋を回してもらえる」ことと天秤に乗せるからです。
眼鏡技術者でもあり、商人でもある。それで、無料補償を受け入れるかどうかを判断するのでしょう。

「一度、無料で交換したら、結果が良くなくても日本人は、それで諦めるだろう」という意識も働くのかも知れません。

メガネ店によっては、眼科の処方箋では具合が悪いとき、再度眼科に行ってもらうのではなく、そんな場合はメガネ店で検査して、メガネ店で再調製するところもあります。
その場合の処方責任は、メガネユーザーとメガネ店との共同責任になりますから、無責任で済む眼科処方よりは安心です。

なお、日本眼鏡技術者協会では、眼科医による眼鏡処方箋に関しましては、

『眼科医による眼鏡処方は、眼鏡店による眼鏡調整とは異なりますので、眼科医によってなされた眼鏡処方に関するご質問は、適切な医療機関等へご相談下さい。』との見解です。

残念ながら、眼鏡処方箋のトラブルに関しては、相談に乗ってくれません。

「眼鏡店による眼鏡調整とは異なる」って、どういうことなのでしょう?
調製と調整は、意味が違うし、眼科は眼鏡を調整できません。

調整→調子をととのえること。フィッティング調整。
調製→メガネを作ること。

眼科と眼鏡店では、「検査の目的が異なります」というのなら、その通りです。
眼科では、矯正視力がどれいぐらい出るのかが大事であって、一般的に病気の有無のための検査をします。
実用的な遠近両用メガネなどの、メガネ調製のための検査は苦手です。

優秀なメガネ店では、実用的で快適なメガネ作りのための検査をしていきます。(そういう検査ができないメガネ店もあります)

そもそも、眼の治療で忙しい眼科が手間ひまのかかる普通のメガネ調製のために、、処方箋を発行するのは無理があるのだと思います。

「適切な医療機関等」って、どこなの?

そんな、途方に暮れることを言わないでよ。

眼鏡技術者なら、眼科処方箋がらみで困っているユーザーがいるのなら、誠実に相談に乗ってあげるべきだと思いますが、
下手に相談に乗って、眼科医に睨まれるようなことがあると、マズイのでしょうね。

眼鏡技術者協会も、ユーザー本位ではなく、眼科本位ということなのでしょう。

認定眼鏡士の倫理綱領

1.認定眼鏡士は、常に生活者の視力の保護を第一義に考えて行動する。
2.認定眼鏡士は、生活者により良いビジョンケアを提供するため、可能な限りの配慮と努力を尽くす。
3.認定眼鏡士は、生活者が最先端の技術レベルによるビジョンケアを受けられるために、絶えず自己の教育、技術レベルの向上に努める。

が、なんだか虚しいです。

結果、どこにも相談できない、メガネ難民が増えます。

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